日本古来の伝統文化にお香があります。お香を焚くと気持ちを落ち着かせ、心を清らかにします。茶席、華道、能など、静をもって表現する場面に必要適合しています。匂いは、目に見えない、言葉で説明できない不思議なものです。サイレントランゲージと言われています。
したがって、抽象的で情緒的な表現でしか説明できません。結果はすべて、その人それぞれの脳で判断します。

東洋人と欧米人は異なった文化を持っています。
線香、お香という煙を使ったものと、香水のように液体にしたものとの違いは用途の違いに通じています。宗教的な要素が強くなった線香や、特別な場を選ぶお香は一般的には日常生活の中に取り入れられなくなっています。

日本人は、臭いにおいには世界一敏感に反応すると言われています。いい香りにはあまり執着がなく、清潔感につながる無臭を好むというデータがあります。戦後全てを失い、生きるために嗅覚は食材が安全かどうかを確認することに使いました。
一般的に家電は白物が売れるのも清潔感から来たものと考えられます。臭いという字は臭いとも読め、いい香りは匂いと書きます。
料理においても、日本料理は彩を大切にしますが、フランス人は先ず、香りを確認します。
このように全く違った文化を持っていますが、近年の日本人のライフスタイルは確実に欧米化しています。
生活の中に香りを取り入れる機は熟していると言えます。

五感をバランスよく感じている時が最も至福のとき

きれいな景色を見ながら、素敵なインテリアのレストランで、おいしい料理を、好きな音楽を聴きながら、好きな友人や家族と一緒に、そこに足りていないのは香り、嗅覚の作用です。
欧米人は、こうしたバランスを大切にし日常的に香りの中で生活をしています。
アジア人は、嗅覚に対しての意識が薄いと言われています。
日本にはお香という古来からの文化がありますが、特別な日か限られた人にしか行き亘っていません。
近年、五感に訴えるということの大切さと、その効果が見直されてきました。